理想の人(沖縄婚活記㊴)
「・・・・・・・・・で、上手に別れられたの?」
風邪っぴきのアツシさんに別れを切り出した、その後。
我が家でお茶を飲みながら、来客が尋ねた。
naya「うん。『元カレの気持ちがわかるよ』って捨て台詞付きで」
「何それ!? 僕は全然わかんないんだけど!?」
そう、お客は元カレ。
別れてから、実に3ヶ月ぶりの再会でした。
naya「あの後、私思ったんだぁ」
アツシさんの、ちょっと変なとこに目をつぶっちゃえば、
結婚できたかもしれないけど
彼の職場は中部だし、南部の今の職場に通うわけにもいかないから、
仕事をやめなきゃならないでしょ。
それでも遅かれ早かれダメになってただろうから、
別れたその後の私ってば・・・・・・
仕事は無い
部屋も借りられない
親も死んで、帰る実家も無いから
ほんと、悲惨な人生まっしぐらだったなぁって。
naya「そう考えたら、ペッシと二人っきりの今の生活が、
なんて自由で、地に足の着いた、安心できるものなんだろうって」
改めて思った。
結婚はセイフティーネットになるかと思ってみたけど
自分以外の誰かに生活をゆだねるのって、
自分一人で生きてくよりずっと、不確かで不安。
元カレ「じゃあもう、誰とも付き合わない?」
naya「まさかっ!」
互いに自立して、二人ですれば楽しいことだけシェアしたいって人、
なにも私だけじゃないと思うんだよね。
男の人だって、女性の人生丸ごと背負い込むのは
しんどいって人、いるんじゃない?
この人となら、そんな人生もあるような気がしてたんだけどなぁ・・・・・・
なんて、目の前で紅茶を飲む懐かしい姿に、
かつて夢見た未来を思い描いていた。
(つづく)