もの作る人々
松浦 弥太郎さんが「本を読む人の姿は美しい」と何かに書いていたけれど
私はものを作る人の姿も、同様に美しいと思います。
職人さんの仕事現場を映したテレビ番組なんかは、
DVDに録画して、何度も繰り返し観たりする。
私にとって「作る人」の原風景は、祖父のアトリエ。
日本画家だった祖父が、大きなキャンパスに立ち向かって、
挑むように描いている様が印象的でした。
そして、棚に並んだ岩絵の具の瓶の色の美しさ。
祖父に憧れて短大卒業後、1年間のフリーターを経てデザイン事務所に入社。
3年で挫折したけど、その間、祖父の営むアパートに下宿して、
絵のことや仕事のことを、たくさん話せたのは良い思い出です。
あれから祖父も他界し、長い年月が流れ、
今「なんか描いて」なんて言われても、きっと手は全然動かない。
絵を描く筋力は、すっかり衰えてしまいました。
(描く為の感性・能力含めて「絵を描く筋力」と表しています)
でも、ものは作りたい。
もの作りをする人でいたいって気持ちは、依然として胸の中にある。
人間が二本足で歩くようになったのは、きっと両手を自由に使う為。
ものを作りたいという衝動は、人の基本的欲求の一つなのかもしれないなぁ。
(ワンハンドルの街歩きカゴ『きまぐれマルシェ』が出来ました)