作ること、思いをのせること
表現する上で詩的な感性があるとないとでは、仕上がりに大きな差が出ます。
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今日も小禄の雑貨店『ティーカラーズ』さんに、納品に伺いました。
そこで拝見した、この素敵な街並み。
小指の長さほどの高さの陶器でできた小さなオウチですが、
こうして寄って見るとまるで、セピアの古い街の写真みたい。
小さな家の、それぞれの窓の向こうに、
シチューを囲む家族や、こちらを眺める少女が見えるよう。
作り手が詩的な感性を注ぐと、ものは単なるモノではなくなるんですね。
カゴにしても、籐に導かれるように編むと、
我ながら惚れ惚れするような出来になったりすることがあります。
逆にどうにかして、カッコイイものを作ろうと洒落っ気を出しすぎると、
夢にまでうなされて翌朝、反省しながら籐をほどく羽目に。
籐は幸い編み直しが利くので、一歩進んでは二歩下がる
タイプの私には、ピッタリの素材です。
もの作りは厳しいけれど、素材と心を合わせて作るのは、
この上なく楽しいひとときでもあって
そんな時必要なことは、テクニックよりも詩的な感性かなと思うのです。
(自分にそれがあるかどうかは、また別の問題として)
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こちらのお店には、沖縄在住のハンドメイド作家さん達の
作品も委託していて、手漉きの紙やドライフラワーのリースなど、
乙女心をくすぐる布小物などが満載。
どの方の作品にも、詩的な感性が詰まっています。
棚には県内の作家さんの手作り作品がいっぱい!
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本日納品したのは、『きまぐれマルシェ』。
前回は、納品したその日に待ち構えていてくださった(!)
お客様のところへお嫁に行きましたが
なーんかこの人オーラがある・・・!と思ってたら、案の定、
作家さんのおひとりでした!!
オーナーの高井さんからは、その方が帰ってから聞かされたので、
そうと分かってたら、もっとお話したかったー!と、ガッカリ。
作品作りとか、仕事や家庭との両立とか、
理解あるご主人とのなれそめとか、色々お聞きしたかったのに・・・・・・。
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そしてもうあと二つは『ダリア』と
フタ付きの『ドングリ』。
ドングリは作るたびに、形が少しずつ変わっています。
初期のドングリはこちら。
これは伝統的な沖縄のバーキ(沖縄のカゴの呼び名)の形のひとつで、
もう少しオリジナリティーを出したのが現在のドングリです。
でもまだ遊べるはず・・・・・・と思っています。
一度作っただけで定番になる作品は、
作るたびに再会できたような喜びがあるのですが
『ドングリ』のようにまだ形の定まらないものは、
冒険する余地があって、それもまた楽しいものです。
何個も、何十個も作る楽しみが味わえるのは、
こうして委託販売してくれるお店があってこそ。
でなきゃ私のオウチ、カゴだらけになっちゃいますもんね!
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2019/05/01追記
現在、ティーカラーズは閉店されています。