セカンドインパクト『蓬莱丸』④
『蓬莱丸』レビュー・パート4
TSJ初のSF時代劇!
その全貌を暴きます!!!(ネタバレあり)
今回はポスターの円で囲った
〇 桑江さん
〇 オッディさん
〇 コージさん
の三名様と、その演じるキャラクターについて語っちゃうよぉっ!
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◆ おりん(女優:桑江 静香)
不老不死の血を持つ赤子。
そんな蓬莱丸をめぐる思惑に、巻き込まれていくのが、
伝説の剣士・人斬り甚左を追う、おりんと鹿之助。
人斬り甚左に息子を殺され、復讐に燃える女性・おりんを演じるのは、
唯一劇団外から参戦した、桑江 静香さん。
命を助け、亡くした息子の名をさずけた鹿之助との掛け合いが面白く、
素直になれない、大人の女性の恋心に、キュンとなっちゃいます。
でも、ストーリー的には善玉でも、子を殺された恨みに囚われて、
他人を巻き込み、血に狂った仲間を見捨て
それでもなお甚左を追い続ける、復讐にとりつかれた女。
人を呪わば穴二つ・・・・・・そんな言葉がよぎるけど、
桑江さん独特の揺れる声は、戦乱の世に生まれた、女の悲しい慟哭のようで、
止められない鹿之助の気持ちも頷ける。
切なく胸に響くのです。
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◆ 那智巣逆 卍(俳優:小渡 俊彰)
そして且つておりんの仲間であり、彼女に裏切られた那智巣逆 卍は、
こんな暗黒設定の『蓬莱丸』の中でも、もっともドス黒いキャラクター。
演じているのは、オッディこと小渡 俊彰さん。
TSJと平行して音楽活動もされている、やんちゃ風味のイケメンで、
今までもそんな可愛さカッコよさを活かした役どころが多かったのですが
この芝居で演じるのは、血に魅せられた、裏も表もないド悪党!
目の下に黒々とクマまで作って、本当に・・・・・・
・・・・・・か、かっこよかったぁ!!
卍の死に様とも言い難い最期が、それはもう壮絶です。
死ねることが、幸せに思えるくらい・・・・・・
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◇ 鹿之助(俳優:末吉 功治)
そしてトリを飾るのがこの舞台の主役、鹿之助を演じる末吉 功治さん。
第1回 『沖縄マルチ パフォーマー オーディション』の栄えある優勝者。
美男美女個性派ぞろいの、候補者たちの中でダントツの存在感だった、
あの卒業公演の舞台がよみがえります。
あの時は二回公演で、全配役がダブルキャストだったのに・・・・・・
たしか一人、リタイアしたのか・・・
コージさんだけは、その両方に出演。
同じ演目とはいえ、役者が代われば、
ネタも間も台詞も変わって、まったく別物の舞台。
それを演じわけるだけでも、功労賞ものなのに、
観客にしっかりと存在感を魅せつける。
あの舞台を見た人なら、誰もが納得の優勝でした。
そして鹿之助は、そんなコージさんの魅力をイカンなく発揮できる、
彼の為に書かれたような役どころなの!
軽くておちゃらけた、かぶき者。
でも本当は、漢気あふれる歴戦の勇士。
ついた悪名も、この時代ゆえの浮名のひとつに過ぎなくて、
本当はどんな時も、誰かを守る為に闘ってきた・・・・・・
台本には書かれていない、そんなことまで勘ぐってしまうくらい、
まばゆいばかりの悪の美を競う、花盛りのキャストの中にいて
ひときわ目立つ正義のオーラでした!!
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TSJのことを語りだしたらきりがないけど、今回は少々お喋りがすぎました。
まとまりがなくて、感情的すぎる・・・・・・
全員夢をかなえて、幸せになって欲しい。
この才能豊かな人たちが、こういう形で、
自分を表現する道を選んでくれて良かった!
私が今、沖縄にいて、
この人たちの活躍を見守れる立場にいることを感謝します。
今回レビューを書くにあたり、ネタバレを少な目にしたのは、
『蓬莱丸』の再演を、心から願っているから。
一期一会・・・・・・それこそがライブの良さとはいえ、
あの舞台を、今後は頭の中で反芻するしかないなんて
切なすぎます!
とはいえ、気持ちの半分以上は、もう次の本公演へ・・・・・・
第5回本公演『SELECT!』
みなさん、要チェックですよっ!!!
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そしてまた、願わくば
あの舞台も、もう一度・・・・・・
(おわり)